帝国データバンクが行った「全国・後継者不在企業動向調査」によると、全国役27万5000社の中小企業で,65.2%に当たる18万社で後継者不足の状況に陥っているらしい。
日本の経済の下支えをしている、中小企業で廃業も致し方ない後継者不足が起こっていることは大変深刻な問題です。
後継者不足の原因
● 少子高齢化
経営者の高齢化が進み、そもそも子供がいなかったり、少ないのが大きな原因のひとつのようです。
確かに、私が良く利用していた近所の中華料理屋さんも最近、店を閉めました。原因は店主が高齢化したため、肉体的に仕事がきつくなってきたのと、後継ぎがおられないからだそうです。おいしかった、お店だったので残念でならないです。
● 親族内承継がなくなってきている
昔は親の仕事を継ぐことは、ごく一般的なことであったが、今では子供は自由に、自分のやりたい職業を選択するようになったので、親がいくら継がせようとしても継ぎたがらないようになった。これは私たち昭和30年代生まれのの人間が、成人したとき、実家にとどまらない、核家族化を進めたからではないだろうか
● 経営の先行き不安
経済のグローバル化により、中小企業は、先の見通しが立たなくなり、業績の悪化により、子供はもとより、会社の役職員でさえ、事業を承継したがらなくなってきている。私が従事していた建設業界でも銀行からの借り入れが多い会社では、責任の重い、社長のなり手がなかったようです。
一人親方で仕事をされていた、大工さん、左官屋さん、建具屋さんとかは将来の不安から、子供には仕事を継がせたくないと、口をそろえて言っておられたのを思い起こされます。
これらの原因を見ると、どれも簡単に解決できそうには思えない。少子高齢化は今の日本では個人で解決できるとは思えないし、親族内承継の代わりに、M&Aと言っても、そもそもM&Aが成立できそうな経営の先行きに不安のない会社なら、後継者のなりては、いくらでもいるはずです。
時代の大きなうねりの前では、中小零細企業は立ち行かなくなっていき、廃業するしかないとと思うと暗澹たる気持ちになってきます。
何とか景気が良くなり、将来に希望が持てる世の中になっていってほしいものです。
建築ひとくち知識
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