袴田事件、テレビニュースで何度か耳にした事件だが、詳しい内容を調べてみようと思った。
袴田事件は静岡県清水市で、1966年6月30日未明、みそ製造会社の専務男性(41歳)、その妻(39歳)、次女(17歳)、長男(14歳)一家4人が殺害され、金品が奪われたうえに住宅が放火された悲惨な事件である。
事件から2か月後、元プロボクサーで同社の従業員だった袴田巌さんが逮捕され、当初無実をを主張していたが、長時間の取り調べや拷問により自白を強要されました。
1968年に死刑判決が下され、その後の控訴審や上告審で死刑が確定され、証拠の捏造の疑いで、2014年に静岡地裁が再審開始を決定し、2024年9月26日再審で無罪が確定しました。
これが袴田事件のあらましだが、この数行の中にある苦しみ、悲しみ、絶望を思うと強い憤りを禁じ得ない。
58年間、あまりにも長い.....袴田さんはもとより、寄り添ってこられたお姉さん、関係者の思いを想像するだけで、胸が痛くなる。
袴田さんは再審請求が決定されるまでの48年間、死刑の恐怖に耐えながら絶望の中を生きてこられた、ほぼ人生のすべてである。
法の番人が、法が人を守るのではなく、長年人を縛ってしまうという間違いを起こしてしまったのである....
警察による一日12時間にも及ぶ取り調べが何日も続き、それも人格を否定するようなやり方で、どんな強い精神力を持った人でも、絶望的になり、自白をしてしまうはずだ。
そしてもっと最悪なのは、事件から1年2か月後に発見された、血の付着した衣服、みそ桶の中に一年以上漬けられていたのに、鮮やかな赤色が残っている、素人が考えても、おかしいと思うような証拠品を捏造している。
このようなことが,まかり通ってしまうと、どのような人間でも犯人に仕立て上げられてしまう。
袴田さんは、58年にも及ぶ苦痛の結果、お体を壊されてしまっている。国は、司法はこの責任をどのように取るつもりなのだろうか!
袴田さんを長年、無実の罪で苦しめただけでなく、真犯人を取り逃がし、殺害された一家4人の無念を晴らすこともできていない。
検察が今回の判決を尊重し、再び控訴するという愚行を起こさないことを願うばかりです。
建築ひとくち知識
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