心の病は恐ろしい、私も若い頃重度のうつ病になり、大変苦しんだ思い出がある。当時はうつ病が世間に今ほど認知されていなく理解もされていなかった。弱い人間がなる贅沢病だという認識しかなかった。
身体の病気と違って、症状が周りの人から見て分かりにくく、どうしても治療が遅れてしまうのと自分自身も病気にかかっているという自覚がなく、単に性格の弱さだと思い込んでしまうのである。
心療内科で適切な治療を受けないで、ほおって置くと、自殺という死に至る恐ろしい病である。

私の場合は、幸いにも病気に気づいてくれる人がいて、自殺寸前に治療を受けることができ、約3か月の入院治療を経て心の健康を取り戻すことができた。
治ってみれば何を苦しんでいたのだろうかと思えるのだが、本当に苦しかった。次から次へと不安が出てきて、夜も眠れず、元気な時には、不安に対する対処法が簡単に頭の中に出てきていたのが、まったく答えが出なくなり、堂々巡りしてしまう。
そのうち自分自身が、捕るに足らない価値のない人間ににおもえ、今まで出来ていたことが、何一つできなくなり、生きていても役に立たない人間に思えてきて、生きてることが辛くなってきて、死ねば楽になると考えてしまう。
回復した理由として考えられるのは、入院という生活環境を変えたことと、投薬等の治療の結果だと思われるが、最も大きかったのは、自分自身が病気であると認めたことだと思う。入院したのちも暫く頑なに、病気なんかでなく、もって生まれた性格だと思っていた。
病気であることを認めると妙に気持ちが楽になり、今まで自分のことしか考えられなっかたのが、周りがみえてくるようになり、冷静な判断ができるようになった。
私は病院を退院するとき、もう二度と、この病気にはかからないと思った。なぜなら、これほど苦しい思いを二度としたくないと思ったからである。そして今に至る40年間余り一度も再発しなっかった。
危ない時期もあったが、免疫ができて無意識に深く考えることを避けられるようになっていた。
今、うつ病を患って苦しんでいる人に言いたい、うつ病は必ず治る‼ 心療内科で治療を受け、病気であることを認め、決して頑張ろうとせず嵐が過ぎ去るのを待てば必ず治ります。努力してはだめです、骨の折れた足で走る人はいません。休んで下さい、そして治れば、ゆっくり歩きだせばいいのです。たとえ病気により失うものが多くとも、大丈夫です、人生は死ぬまで何度でもやり直しがきくのです。私ももそうして今日まで生きてくることができました。
決して絶望しないでください、うつ病は治ります!


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